幼稚園の保育参観や発表会。ショッピングセンターに出かけたとき。
そういう何気ない日常の中で、どうしても他の子とわが子を比べてしまう瞬間があります。
正直、そのたびに胸がギュッとなるんですよね。
同じ年の子は先生の言うことを聞いて動いていたり、親の声に反応して遊んでいたりする。
でも、うちの子はまだ発語がなくて、集団の中に入るのも難しい。
年下の子ができていることが、うちの子にはできない。
そういう場面を目の当たりにすると、胸がズシンと重くなります。
特にショッピングセンターなど公共の場に行くのは今でも怖い。
子どもが私の言うことを理解できないので、突然動き出してトラブルにならないか心配です。
「なんで言うこと聞かないの?」「発達障害なのかな」って周りに思われているんじゃないか。
そんな視線を勝手に感じてしまって、気持ちがどんどん沈んでいきます。
とはいえ、他の子がうらやましいと思ったことは正直あまりありません。
それより「うちの子が可愛い」が圧倒的に勝っている。
笑ってくれれば嬉しいし、元気でいてくれれば十分です。
ただ、ずっと一緒にいられるわけじゃない。
将来を考えると「今なにをしてあげるのがいいんだろう」と不安になることもあります。
発達障害と診断された時のこと
最初に「少し発達が遅いかも」と言われたのは1歳半検診のときでした。
その言葉は気になっていたけど、「まだ小さいし大丈夫だろう」と思いたくて、ちゃんと向き合うのを避けていました。
でも3歳半検診を迎えても言葉は出てこない。
さすがに不安になって「心配なんです」と伝えました。
それがきっかけで、かかりつけの小児科に相談する流れになりました。
先生はすごく穏やかで「発達のことは専門のところで診てもらったほうがいいね。でも、うちでできることがあれば協力するからいつでも話してね」と言ってくれたんです。
その言葉にホッとしました。
そこから行政の発達相談窓口に連絡して、ソーシャルワーカーとの面談や専門医の診察を受けました。
診断が出るまでに半年以上かかって、その間は不安だらけ。
「このままでいいのか」「将来どうなるんだろう」と、ずっとモヤモヤしていました。
正式に「自閉症スペクトラム」と診断されたとき、不思議とショックよりもホッとした気持ちの方が強かったです。
1歳半からずっと避けながらも気にしてきたことに、ようやく答えが出たから。
「違うはずだ」と思いたい気持ちと「やっぱりそうかも」という現実の間で揺れていた時間が終わった感じでした。
診断されたからといってすべてが解決するわけじゃありません。
でも「この子はこういう特性を持っている」と知ることで、少しずつ受け入れて前に進めるようになりました。
今の育児の日常と、感じている葛藤
言葉が出ない育児は大変です。
「なにをしたいのか」「なぜ泣いているのか」がわからない。
泣き声の理由を一つずつ探しても答えが出ないこともある。
そんなときは正直、途方に暮れます。
公共の場に出かけるのも緊張します。
周りの子は同年代らしい遊びや会話をしている。
でもうちの子はそうはいかない。
「なんで話さないの?」「ちょっと変わってるのかな」って視線を勝手に感じてしまって、外出がつらくなることもあります。
一番きついのは、やっぱり比べてしまう自分。
「他の子はできているのに」「なんでうちの子は…」と考えてしまって、気持ちが沈む。
頭では「比べても意味ない」とわかっていても、心は追いつかないんです。
「また考えちゃったな」とモヤモヤして落ち込む。そんな繰り返しです。
子どもの機嫌が悪いときは泣き続けたり、嫌なことがあると叩いてきたりする。
「やめて」と言ってもやめないで、泣きながら同じことを繰り返す。
イライラして思わずきつく叱ってしまうこともあります。
そのあと後悔して「なんであんな言い方しちゃったんだろう」と気持ちが沈む。
そんな繰り返しも、今の育児のリアルです。
それでも、かけがえのない時間だと思えること
大変なことは多いけど、それでもやっぱり子どもと過ごす時間はかけがえのないものです。
最近は手を引っ張って行きたい場所へ連れて行ったり、私の手を掴んで「ここをやってほしい」と示したり。
自分なりの方法で気持ちを伝えてくれるようになりました。
言葉はなくても、確かに成長していると感じられます。
膝に乗ってきて笑ってくれるだけで、全部報われる気がします。
「他の子と同じかどうか」なんてどうでもよくなる。
「この子が今ここで笑ってくれていること」の方がよっぽど大事です。
父親として育児を担う中で、体力勝負だなと気づくこともありました。
危ない場面では抱きかかえて移動させる必要があって、14kgの子どもを抱えるのは結構大変です。
でも「この子を守れるのは自分なんだ」と思える瞬間は、やりがいにもなっています。
同じような親御さんへ伝えたいこと
発達のことで悩んでいた頃、一番つらかったのは「誰に相談していいかわからない」ことでした。
でも勇気を出して相談したことで、行政や専門機関、同じ境遇の親御さんとつながることができました。
「自分だけじゃない」と思えた瞬間、気持ちがスッと軽くなったのを覚えています。
比べてしまう気持ちは、きっと誰にでもある。
同年代の子ができることを自分の子ができなかったら、落ち込むのは自然なことです。
大切なのは、他の子と比べることじゃありません。
わが子に目を向けて、“昨日のわが子”から“今日のわが子”への成長を見つめること。
小さな変化に気づけると、気持ちが少し楽になるんです。
もし今、同じように悩んでいる親御さんがいたら伝えたいのは「ひとりじゃない」ということ。
一緒に悩んで、一緒に笑って、少しずつ前に進んでいきましょう。
将来的には、そんな親御さん同士が安心してつながれる場所を作れたら…という思いもあります。
まとめ
発達に遅れがある子を育てていると、やっぱり周りと比べてしまう。
不安で押しつぶされそうになる夜もあります。
でも、それって親なら自然な気持ちなんだと思うんです。
私はまだ、将来的にどんな形でコミュニティを作れるのか具体的には見えていません。
でも「同じように悩んでいる人がひとりじゃない」と伝えたい気持ちは強くあります。
いつか、そんな親御さん同士が支え合える場所を形にできたら嬉しいです。
発達のことは見た目ではわかりにくいし、周りから理解されにくいこともある。
だからこそ、子どもの笑顔や小さな成長に気づける瞬間を大事にしていきたいと思っています。
もしこの記事を読んで「自分も同じだ」と思ってもらえたら、それだけで意味がある。
一緒に子どもと歩みながら、少しずつ前に進んでいきましょう。
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